能からは観世流の津村禮次郎、森田流の松田弘之、コンテンポラリーからは近藤良平、日本舞踊から坂東扇菊そして天台聲明の海老原廣伸、チェロの四家卯大と一流の異色の組合せ。
3つの異なる音楽のジャンル(能管、声明、チェロ)と、3つの異なる舞踊のジャンル（能、日本舞踊、コンテンポラリー）が、「葵の上」の登場人物の関係に照応し、その情念の世界を写し出す。
能楽の自由な空間処理と時間軸を変化させる手法がダンスに生かされ、作品の深さを増す。