東京公演「夢の夢」" 曾根崎心中より "

-- 濃密に表現した情死の場 --



カミテ奥からの光の筋の中の情死行は、赤い帯紐を巧みに利用し、和楽器のサウンドにのせた二人の好演もあって、その心象と情景をねっとりと表現した。全体としてはシリアスな重いドラマで、とくに最後の場はよく工夫されている。コメディ・リリーフやギャグの挿入も効果的だ。

(週刊オンステージ新聞10月1日号 舞踊評論家 うらわまこと)

作品紹介 近松門左衛門の曽根崎心中を題材にセリフ劇の形式を取らず、視覚に訴えた舞踊で、近松の世界を描いてゆく。
原作同様、三場から成り、一場は、悪仲間と手代徳兵衛との関係、次の場は、廓での客と遊女とのやりとりから、縁の下に隠れている徳兵衛にお初が足で愛を表現する、心中合意下屋の場へと入ってゆく。
大詰は心中、情死の場となる。 これらを日本的な身体表現と、ダンスの手法を融合させたた新しいタッチで描き、原作を知らない観客にも楽しめるよう構成した作品。
日本のシェイクスピアと言われる近松、時代を超えて、なおも不変、不滅の精神をここに伝えたい。



■2000年北京公演についてはこちら▶

■2001年ランドマーク提供公演についてはこちら▶

■2003年パリ、モスクワ公演についてはこちら▶